4/7武漢―都市封鎖６０日間（５）

財新記者：日記に、「私たちはよりによって、ほこりが舞い上がる時代にいる」と書いてある。知識人は人民と国家の大災害を前にして、どのような責任を負うべきか。

方方：責任はすべての人が負うべきである。担えるか、耐えられるかは個人の選択と能力に依ると思う。

 

　財新記者：中国の感染症対策の政府専門家チームのトップ、鐘南山は「武漢は英雄の都市だ」と発言したが、これをどう思うか。

　方方：中国ではどの都市も英雄の都市で、武漢だけではない。鐘氏は、武漢人が何を捧げたのか、どんな害を受けたかを知っているので、言えた言葉ではないか。

 

　財新記者：あなたは武漢を李白の漢詩にある「敬亭山」のように読んでいる。又、武漢女性の強烈な叱り方の「漢罵」を使って気が晴れたと書いている。武漢人の性格をどう視ているか。

　方方：武漢人の最大の特徴は「サッパリ」していること。話し方はストレートである。そして早口で声が大きいので上品ではない。大部分の武漢人は、友人のために、刀を抜いて助け合うことを好む。武漢人は常に義理を重んじている。それを誇りに思う。

 

　財新記者：今回の新型コロナウイルスは、武漢人の心理にどのような影響を与えたと思うか。

　方方：今回の武漢人が受けた傷はとても大きい。診療を求めて天に訴えても、地に叫んでも返事がない惨状、その時の絶望感はとても深いものだったと信じる。市民皆が心の傷があり、抑圧、鬱、いら立ちがある。ウイルスの恐怖は長く残る。

 

　財新記者：感染拡大が終わり、武漢の封鎖が解除されたら、何をしたいか。

　方方：日記を書くのを止め、数日ゆっくり休み、それからまだ完成していない小説を書き続けたい。

 

　連載はこれで終わりです。当初生々しい事が載ると思って紹介し始めましたが、抽象的なことが大部分で、かなりがっかりしました。お詫びします。

　「方方」をキーワードに、インターネットでこの日記が読めます。勿論中国語ですが、自動翻訳を利用すれば、日本語で目を通すことが可能です。

 

　次は都内病院の「生々しい」報告を載せます。

 

４月７日　　春が「うらら」とならない　　T.HoSoDa

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