5/1首都圏直結の山梨県が、なぜコロナ封じ込みに成功したのか(2)

続きです。

 見えない敵と終わりのない闘いを続けている今、生活する我々が見える形で効果を実感したい。毎日発表される感染状況の数字から、果たしてどれ位の人が行動変化を起こすだろうか。

 緊急宣言下、時短要請を受けている飲食店から、「いつまで我慢すればいいのか、何をどうすればいいのかよくわからん」等の声を聞く。しかし、山梨県では違う。山梨県が示したガイドラインを遵守しさえすれば、店は休業しなくてもいい。これは極めて分かり易く、納得感を得る方法と思う、2020年の最初の緊急事態宣言時は、これを守らずに営業するパチンコ屋さんが糾弾された。山梨県下では、こんなことは起こらなかった。

 山梨県下のパチンコ屋さんは凄かった。県下59店舗が、業界をあげて感染拡大防止ガイドラインの遵守に協力してくれた。このお陰で、2020年5月12日から全て営業を再開し、現在に至るまで、パチンコ屋での集団発生例は一件もない。

 山梨県では感染拡大防止の新しい方策として、「やまなしグリーン・ゾーン認証制度」の普及に取り組んでいる。休業要請は全ての業態にお願いしてはいない。普通の飲食店や宿泊施設は要請の対象ではないが、不安はある。そこで、このような不安を取り除くために考え出した制度である。

 この制度は、県下の「宿泊業」「飲食業」「ワイナリー」「酒蔵」を対象として、それぞれ30~50のチェック項目をクリアすれば、山梨県が感染症対策のお墨付きを受けることが出来るものである。認証に当たっては、県職員や委託業者の方が、現地に行き事業者の方の相談に乗って、必要なら申請の手続きをしたり、手伝ったりする。申請に必要な物資等を購入する助成金も用意してある。目下、県下の92%以上の対象施設が認証済みまたは申請中である。

 これらの施策が功を奏して、山梨県は2021年2月1日現在、人口比の感染者数は岩手県、鳥取県、秋田県に次いで4番目に少ない

 何よりも良かったのは、この仕組みを作ったお蔭で、行政と業界が密接に連絡を取り合える関係になったことである。色々な方法で質問や相談が寄せられているが、それに丁寧に応えていく態勢が出来た。

【編者注】 ラジオでは、「旅行業者の方々が、認証を手伝っており、申請の代行をしたり、補助金を得る方法のアドバイスをしている」と聞いた

 今回のこのシリーズはお終いです。

5月1日  目下「GoTo Eat」で貢献している  T.HoSoDa

 
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