5/13民主主義国家　ドイツの迷走（２）

２０２１年３月２５日のBBC　ニュースです。

　ドイツのメルケル首相は３月２４日、イースター期間を含む厳格なロックダウンを実施するとした前日の計画を撤回した。ロックダウンには、ビジネス界のリーダーや科学者は非難していた。パンデミックの第一波の時、メルケル首相の取った対策は国民に高く評価された。しかし、ロックダウンには地域の不満が高ぶっていた。
　この撤回を受けて、ドイツのカトリック教会組織は、「安全対策を取りながら、礼拝を実施し、来れない方のために、オンラインで中継もする」とした。小売り業界も方針転換を歓迎した。

　ドイツでは部分的なロックダウンが実施されており、最低でも今月（５月）１８日までは継続される。今後は検査拡大で乗り切ろうとする動きが広がっている。しかし、２月には一日数千人だった新規感染者が、３月には２万人を超す事態となっている。

　これらの事態を受け、ドイツ集中治療医学会は、「集中治療室が埋まりつつある重大な局面である」と危機的状況を訴えた。そして、厳格な措置で感染者が減った時点で、検査を拡大して、店舗開業を行うべきと呼び掛けた。

　ドイツにおける連邦制度下では各州の権限が強く、各地で規制緩和が始まっている。この事態にメルケル首相は苛立ち、「このまま無策ではいない」として、連邦政府による介入を示唆した。

【編者注】 ドイツは１６の州からなる連邦制である。連邦政府の専決事項は外交と国防で、教育等は国家憲法の「ドイツ基本法」と矛盾しない範囲で、各州が決める。メルケル首相が、「国家の危機的感染症対策」も連邦政府の独占的権限下の置くような希望を述べていたようだが、これ以後は残念ながら不明である。
【編者注】 ２０２１年５月１３日現在、ドイツの累積感染者は３，５７０，３０１人で、既回復者は３，３４，０００人、死者は８５，６６２人。

5月１３日　　日本がこうならないように願っている　　T.HoSoDa