6/8感染急拡大の台湾コロナ事情（２・終）

外出禁止ではないが、ほとんどの人が自主的にロックダウン状態にしている。これは、これまでの政府の努力の賜物である。流行当初の水際作戦から始まり、マスクや消毒液の製造、更にそれを公平に行き渡らせる速さ、毎日午後２時から行われる記者会見、ＳＮＳを通じて最新情報を国民に知らせる方法等、この１年半の丁寧な対応の積み重ねが信頼に繋がっている。

　今回は警戒レベル第３級の発令で、クラスター追跡のため、入店が実名制になっている。しかし、入店手続きがスマホを使えば５秒で済むＱＲコードシステムを、オードリー・タン氏が提供した。ロックダウンが発令されたら、このシステムが役立つ。
　国民の協力で、新規感染者数は減少に転じ始めたが、台湾にはワクチン問題が付き纏う。中国の影響力が強いＷＨＯからつまはじきにされている台湾は、実際ワクチン入手が難しい。そこに、中国は自国製ワクチンを提供して貸しを作ろうと目論んでいる。
　台湾の蔡総統は、ドイツのビオンテック社とのワクチン契約を中国が邪魔して破談になったと抗議の意を示した。台湾の中央感染症指揮センターの陳指揮官は、中国からのワクチン提供を「要らない」と一蹴している。

【編者注】 今後、台湾がどのようにして収束させるか、ご注目下さい。

６月８日　　６月１３日午後は、西伯病院で問診担当　T.HoSoDa