10/27 「コロナ規制を全面解除する」（２）

イギリス政府の発表を受け、科学誌「Nature」は、「感染症が増加している中での規制緩和は、
新しい変異株出現のリスクを高め、未接種者の健康を危険に晒すことになる」と指摘し、更に
「前例の無い公衆衛生上の実験であり、多数の入院患者や死者を出す可能性を高める」と警告した。

　世界中の研究者が懸念しているのは、ワクチン接種をした集団の中で高い感染率が続くと、
更に問題のある変異株が生まれ、それが世界中に広がる可能性があることである。

　イギリス医師会の公衆衛生担当だったイングリッシュ氏は、「今、規制を緩和する正当な
理由は全く無い。少なくとも、患者数の増加が元に戻るまでは、制限を強化すべきである」と
、「Ｎａｔｕｒｅ」に投稿した。

　これに対して、イギリス政府は、「ワクチン接種は順調に進んでいる。感染者数と入院・死亡
の関連性が弱まっている。以上の観点から、制限による経済、生活、教育等へのダメージを
考慮すると、緩和は正当化される。そして、７月初旬の時点で、６８％の国民は１回目の接種
を終え、５２％が二回目の接種を終えている。丁度２月の感染状況と同程度だが、入院と
死亡は大幅に低下している」と反論している。

　ロンドン大学の研究者は、「この決定は、危険であり、時期尚早であり、政府は非倫理的
な実験に着手している」として、緩和策の停止を求める一文を「Ｌａｎｃｅｔ」誌上に載せた。

　「Ｎａｔｕｒｅ」誌は、「研究者の多くは緩和が必要であることは認めているが、もっと緩やかな
緩和を望んでいる。制限が完全に緩和されると、感染の爆発的増加を起こす可能性がある」と説いている。

　まだ続きます。

１０月２７日　　楽観的にはならない医療者の一人　T.HoSoDa