1/18 能登地震で被災した病院(2)

Q:1月2日(二日目)以降の病院の対応について、お教え下さい
A:2日目には、DMATやAMATの支援チームの先遣隊が到着した。
 何よりも困ったのは血液透析の水。あらゆる知り合いに電話をして、給水車を回して貰うようにお願いした。
実人数120人、多い日は70人を透析していた。この為には、毎日15トンの水が必要だった。

 並行して、耐震の3病棟と5病棟の配管を直してトイレが使えるようにした。更に、病院の周りの道路の
陥没箇所等に土嚢を積んだりして平常の診療再開を目指した。

 1月5日(5日目)には自衛隊の給水車で水が確保出来、6日からは血液透析を再開した。しかし、水道水
が来ないので、レトルト食品の食事を続けざるを得なかった。
 「けいじゅヘルスケアシステム」グループでは、他の高齢者施設や障害者施設を含め、毎日約4000食が
必要だった。職員分を含め、3日文は備蓄していたので、1月5日には、自分が副会長をしている全日本
病院協会に「SOS」を出した。その結果、病院の前が食べ物を運ぶトラックの渋滞が起こった。有難かった。
【編者注】 DMAT:Disaster Medical Assistance Team・災害派遣医療チーム、 AMAT:All Japan Disaster
Medical Assistance Team:全日本病院医療支援班。

Q:色々備えておられたが、役に立ったことや、想定外ことは?
A:2023年4月から導入していたセルフケアシステムで、平時から各病棟、各職種が協働で働く体制に
なっていた。日勤帯の出勤職員全員に一人1台のiPhoneを持たせていた。その他自分のスマホにも
IDとPWでセルフケアシステムが使えるので、情報共有が迅速かつ的確に出来た。

 電子カルテシステムのサーバーは免震の本館にあったので、電子カルテは支障なく使えた。血液透析に
たくさんの水を使うので、井戸水の濾過装置を持っていたのは役立った。近くの総合病院では水道水が
確保出来ず、手術や検査が出来ず、当院に搬送された。しかし、この搬送にも問題があり、病院周囲の
道路の一部が使えなかったので、救急車から下ろして、最後の10米は担架で運んだ。

もう一回続きます。

1月18日  西伯病院は免震構造  T.HoSoDa

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